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紙の選択・紙の知識

  紙の定義としてJIS(日本工業規格)では
  「植物繊維およびその他の繊維を絡み合わせ、膠着させて製造したもの」と説明しています。
  それらは「紙・板紙の品目分類表」によって分類されて流通されています。

  紙を選択するということは、次の要素をそれぞれ選んでゆく必要があります。

紙の品種
紙の種類のことです。「紙・板紙の品目分類表」によって分類されています。
紙の色柄
白い紙か色の紙か? 白にも、青味がかった白、オフホワイトなど微妙な表現の白があります。
また、色名が同じでも品種やメーカーにより明らかに違う色もあります。
紙の寸法
JIS規格による紙加工仕上げ寸法と原紙寸法の他に、紙販売会社の断裁仕上げ寸法があります。
紙の流目
機械抄紙により出来る、目には見えない目のことです。 紙の加工の際に重要な要素となります。
紙の厚さ
JIS規格による坪量。1000枚(板紙においては100枚)あたりの重さを表す連量。 また、特定の品種の中で相対的に名付けられた厚さの表現もあります。
紙の適性
印刷適性、プリンター適性、コピー適性等、製品に仕上げるための性能のことです。

紙の品種

  主な紙の品種についての説明は コチラ へ  参考:「紙・板紙の品目分類表」

紙の色柄

  紙を選択する場合、白い紙にするか、色物にするかは大事なことです。

  白い紙 … 白い紙は一般に大量生産品が多く安価です。白い紙を何種類か集めてみると、青味がかった白、
  オフホワイトなど種々あります。現在、日本では紙の絶対的な白さを調べる道具として「ハンター白色度計」が
  普及しています。紙の表面に光をあて、反射率を数値化して表わしています。
   紙の白さは、原料のパルプの白色度(抄造の際、添加する填料の白色度)に影響されます。
  晒化学パルプ100%使用の上質紙の白色度は約80%です。また古紙、グランドパルプを混抄した中質紙の
  白色度は上質紙より低くなります。白色度低下の割合はパルプの白色度と配合率で決まります。
  また、填料の白色度がパルプの白色度より高ければ紙の白色度は上がり、低ければ下がります。
  以上は、絶対的白色度についてです。
   人間の目に感じる白さは絶対的な白色度とは違います。
  一般的な紙には、印刷面との際立ちを感じさせるため、着色染料・蛍光増白染料によりわずかに着色し
  白色感を増したものがあります。これらによる白色感の増加は、絶対的な白色度の増加とはなりません。
  これらの染料により増白された紙は時間とともに「ヤケ」といわれる、全体に黄色味を帯びる状態が、
  不使用の紙に比べて早くやってきます。白さに対する好み、印刷に及ぼす白色感の効果、紙の経時変化、
  これらを総合的に判断し選択します。
   食品関係に使用する場合は、禁忌の染料がありますから特に注意を要します。

  色の紙 … 色物の紙は抄造段階で配合する色料のコストが加わるため、単色のみのクリーム書籍用紙でさえ
  ほぼ同じ適性をもつ上質紙より割高となります。まして色数の多さを誇る紙は、色料のコストの他、抄造の段階で
  色替えの際機械を止めて洗浄し、テスト抄きし本抄造を繰り返すことのコストが加わり、また大きな流通在庫の
  コストも加わりますので白い紙から見れば、ずっと高いものになります。
   紙の色は、品名に付く商標です、製紙メーカー・専売代理店等が名付けますで、絶対的色名ではありません。
  色カード紙でも「OK ACカードの桃」、「ケンランの桃」と「KSY Aカードの桃」ではかなり違います、
  しかし、それぞれを別に見せられ「何色ですか?」と問われればそれぞれを「桃色です」と答えることでしょう。
  紙を注文する場合は、色見本で確認し、「何と言う紙」の「何色」と言う必要があります。

紙の寸法

  紙を選択する場合、仕上げの寸法をどうするかは大事なことです。

   JIS(日本工業規格)には、「仕上げ寸法表」と「原紙寸法表」があります。
   紙の規格寸法は、常に、長辺を半分にしたとき今まで短辺だった辺が長辺となり、長辺と短辺の比率が
  ほぼ変わらないことに特徴があります。
  一般的にはJISに従って仕上げの寸法を決め、それに対応する原紙寸法を求める場合が多いようです。
  JISのメリットは、印刷等加工のしやすさ、製品を封筒に収めたり、書庫に収めたりする際の合理性に
  かなうからです。最近の仕上げ寸法は、国際化のの流れの中、A4規格が主流になりつつあります。
  もちろん仕上げの寸法は製作者の自由であり、目立つために、わざと変形にしたりすることはありえます。
   ただし、原紙の寸法をよく知って、無駄のない紙取り、後の加工の容易さを考えるべきです。
  また、品種により全てのJIS規格の原紙寸法が製造されているとは限りません。
  抄紙機の規模、需要等により、どの原紙寸法を製造するかは各メーカーの意思によります。
  断裁方法の工夫により、希望の寸法を得ることが出来ますので、私どもにご相談ください。
  ●「紙の仕上寸法表 (JIS)」
  ●「原紙の寸法表」
  ●「紙21の断裁寸法表」

紙の流目

   紙の流れ目とは抄紙機械の網目状のワイヤが高速で進むとき、ワイヤの上に流し込まれる長細いパルプ繊維が
  その進行方向に沿うように流れそして定着することにより出来る、紙の特性です。
  このようにして出来上がった紙を平判に仕上げた際、流れ目が長辺に平行になるものを「縦目」、短辺に平行に
  なるものを「横目」と言います。また「縦目」を「T目」、「横目」を「Y目」と表記することがあります。
   この流れ目に沿っては折れ曲げ易く、裂け易い。流れ目と直角方向には折りにくい。また湿っ気を吸収したとき、
  流れ目の方向には伸びにくく、直角の方向には伸び易い。これらの性質を理解し、印刷機の性質、製本加工、
  折り加工、最終商品の使われ方を考え、紙の選択をする必要があります。

  「縦目」を表示するときは短辺の長さを先に、長辺の長さを後にします(例:四六判 788mm x 1091mm)
  「横目」を表示するときは長辺の長さを先に、短辺の長さを後にします(例:四六判 1091mm x 788mm)

   また、原紙の大きさで包装されたものには中身の表示に、「縦目」は短辺に、「横目」は長辺にレッテルを
  貼ります。余談ですが、以上は機械抄紙の場合で、伝統的な手漉き和紙では、縦・横ともに繊維を流すので、
  縦横の無い紙を漉く(すく)ことが出来ます。そこで版木を十数版も重ねても、縦横の伸びの少ない和紙を
  用いることにより美しい浮世絵の世界を作り上げることが出来たのです。

紙の厚さ

  紙の重さを表わすものに「坪量」と「連量」があります。

  1959年のメートル法の施行以降、1uの一枚の紙の重さをg/u で表記してきました、「米坪」とも言われています。
  「坪量」の同じ同品種の紙は、面積が違っても厚さはおなじです。
  同品種の中では、「坪量」の大きいものは厚くて重く、「坪量」の小さいものは薄くて軽いと言えます。
  ただし、純粋にパルプ100%の上質紙とその上質紙に比重の大きい粘土質を塗布したコート紙では、同じ「坪量」でも
  厚さは違います、コート紙は上質紙の7割程度の厚さしかありません、そしてズシリとした重量感があります。
   この「坪量」に原紙の面積(u単位)を乗じさらに1000枚(板紙では100枚)を乗じて、kg単位で表わしたものを
  「連量」と言います。洋紙は1000枚、板紙は100枚で「連」と言う単位で取引するからです。(実際は面積で少数点以下の
  四捨五入や出てきた数字の小数点以下の二捨三入、四捨五入などがありますが、専門的なので必要ありません)
  例として「坪量」81.4g/uの上質紙の「連量」は、A判は44.5kg、B判は67.5kg、四六判は70.0kg、菊判は48.5kgです。
  取引の単位としては「連量」の方を用います。
   また、実際の重量を表わすのではなく、同一銘柄の中での相対的な厚さの比較で厚さを表わしているものもあります。
  例えば、色上質紙は薄い方から「特薄口」「薄口」「中厚口」「厚口」「特厚口」「最厚口」「超厚口」の7つの厚さが
  あります。ファンシーペーパーの中にも「薄口」「厚口」と表示しているものもあり、色上質紙のそれぞれとは違う厚さ
  ですので、「何と言う紙」の「何口」と言う必要があります。

紙の適正

  紙を選択する場合、紙になにを求めるかを明確にする必要があります。

   書くこと、印刷(デジタルプリンター印刷も含む)、包装等、それぞれにお奨めの適性をもった紙があります。
  経験豊富な私どもにご相談ください。紙は品種が多くあり、なお増え続けています。
   紙の機能として、書く、印刷する、包む等がありますが、歴史の中で少しずついろいろな適性が加わってきました。
  約2000年前(あるいはそれ以前)中国で紙が発明された当初は包むことに使われていたようです。しかし筆で墨を
  用いて記録する必要性から筆記適性のある紙が造られました。
   現在の洋紙は、グーテンベルグが活版印刷を発明してから大量消費時代に入り、印刷適性を追い続けてきた歴史が
  あります。印刷適性を追い続ける中で、カラー再現性の良い塗工紙が生まれました。また個人や企業の大量の情報を
  素早く表現する手段としてタイプライターが発明され、その情報を運ぶ手段の郵便のため軽くてタイプライターの
  打圧に耐えるタイプ紙などの薄葉紙が生まれました。そしてその情報の簡易な複写手段として、カーボンペーパーが
  生まれ、さらには紙そのものに複写能力を持たせた、裏カーボン紙、ノーカーボン紙が生まれてきました。
   そして現在、デジタル化の進展は人々の生活を大きく変え、情報革命と言われている時代となっています、紙も
  またデジタル化の中で多種多様の適性が求められています。PPC用紙は始めコピー機の複写適性だけを満たして
  いましたが、普通紙ファックス適性、各種プリンター適性が求められ、それらを満たしつつあります。
   最近、個人のパソコンの普及につれて各種プリンターの普及もめざましいものがあります、各製紙メーカーも
  各種プリンターが要求する適性を満たした紙を開発し、既存の紙でも適性を付与し続けております。
   印刷については、長い歴史の中で、専門の人々によって紙に適性が付与され続け、知られてきていますが、デジタル
  機器に対する適性については、まだまだ発展途上の段階です。


紙・板紙の品目分類表

「紙」
新 聞 巻 取 紙
印刷・情報用紙 非塗工印刷用紙 上級印刷紙 印刷用紙A
その他印刷用紙
筆記・図画用紙
中級印刷紙 印刷用紙B
印刷用紙C
グラビア用紙
下級印刷紙 印刷用紙D
特殊更紙
薄葉印刷紙 インディアペーパー
その他薄葉印刷紙
微塗工印刷用紙
塗工印刷用紙 アート紙
コート紙 上質コート紙
中質コート紙
軽量コート紙
その他塗工印刷紙 キャストコート紙
エンボス紙
その他塗工紙
特殊印刷用紙 色上質紙
その他特殊印刷用紙 郵便はがき用紙
その他特殊印刷用紙
情報用紙 複写原紙 ノーカーボン原紙
裏カーボン原紙
その他複写原紙
フォーム用紙
PPC用紙
情報記録紙 感熱紙原紙
感光紙原紙
その他記録紙
その他情報用紙
包装用紙 未晒包装紙 重袋用両更クラフト紙
その他両更クラフト紙 一般両更クラフト紙
特殊両更クラフト紙
その他未晒包装紙 筋入りクラフト紙
片艶クラフト紙
その他未晒包装紙
晒包装紙 純白ロール紙
晒クラフト紙 両更晒クラフト紙
片艶晒クラフト紙
その他晒包装紙 薄口模造紙
その他晒包装紙
衛生用紙 ティシュペーパー
トイレットペーパー
タオル用紙
その他衛生用紙
雑種紙 工業用雑種紙 加工原紙 建材原紙 − 化粧板用原紙
建材原紙 − 壁紙原紙
積層板原紙
接着紙原紙
食品容器原紙
塗工印刷用原紙
その他加工原紙
電気絶縁紙 コンデンサペーパー
プレスボード
その他絶縁紙
その他工業用雑種紙
家庭用雑種紙 書道用紙
その他の家庭用雑種紙
「板紙」
段ボール原紙 ライナー 外装用(クラフト)
外装用(ジュート)
内装用
中しん原紙 パルプしん
特しん
紙器用板紙 白板紙 マニラボール
白ボール 塗工
非塗工
黄板紙・チップボール
色板紙
雑板紙 建材原紙 防水原紙
石こうボード原紙
紙管原紙
ワンプ
その他板紙


紙の品種の説明

  紙は「紙・板紙の品目分類表」によって分類されています。
印刷用紙
上級印刷紙   中級印刷紙   下級印刷紙   薄葉印刷紙   微塗工印刷用紙

アート紙   コート紙   軽量コート紙   キャストコート紙   エンボス紙・その他塗工紙

色上質紙   その他特殊印刷用紙
情報用紙
ノーカーボン原紙   裏カーボン原紙   PPC用紙

上級印刷紙

  晒化学パルプ100%使用の紙です。
印刷用紙A
上質紙のことです。本文用紙、マニュアル用紙等、よく目にする紙です。
「再生上質紙」は古紙入りなので、本当は上質紙ではありませんが、上質紙的に使用されたり、
印刷適正が上質紙並にあるとうことで上質紙として扱われています。

お奨め品: npi上質

      再生上質紙 … npi上質グリーン70(PEFC)

その他印刷用紙
目にやさしいクリームの書籍用紙は表裏の差を少なくしたり、嵩を出すためラフにしたり、
しなやかにしたり、上質紙以上に神経を使って作られます。

お奨め品: 淡クリームキンマリ、淡クリームラフ書籍

      その他、辞典用紙、地図用紙などがあります。

筆記・図画用紙
あらゆる筆記具に対する適正を求められます。帳簿用紙、画学用紙など。

お奨め品: 帳簿用紙 … KK帳簿用紙

      画学用紙 … 白象画学、画王

中級印刷紙

  晒化学パルプを40%〜100%未満使用の紙です、古紙またはグランドパルプを混ぜて原料として使用しています。
  嵩だかにしたラフ品、紙表面に光沢をつけたスーパー品等があります。
印刷用紙B
晒化学パルプ70%以上使用。いわゆる中質紙です。書籍本文、雑誌本文等に使用されます。

お奨め品: ハイランド
印刷用紙C
晒化学パルプ40%以上70%。いわゆる中質紙です。書籍本文、雑誌本文等に使用されます。

下級印刷紙

  晒化学パルプ40%未満。印刷用紙Dとはいわゆる更紙です。雑誌本文等に使用されます。
印刷用紙D
お奨め品: 苫更、ひばり更

薄葉印刷紙

  平米あたり40g以下の紙です。薄さがメリットです。
インディアペーパー
晒化学パルプだけではなく、木綿、麻のパルプも使用されます。
不透明度が要求されます。辞典用紙、聖書用紙、エアーメール等に使用されます。
タイプ・コピー用紙
晒化学パルプ100%使用。タイプライターの打圧に耐える強さ、筆記特性、青焼きコピーの
原紙としての光の透過性を有しています。現在ではそれら本来の目的よりも特殊設計用紙など、
その軽さ、強さのメリットを生かした使われ方をしています。

お奨め品: 三菱タイプ用紙三菱チャンピオンコピーN

微塗工印刷用紙

  平米あたり40g以下の紙です。薄さがメリットです。平米あたり両面で12gの顔料が塗布されています。
  光沢の出るグロスと光沢を抑えたマットがあります。雑誌本文のカラーページ、チラシ等に使用されます。
微塗工印刷用紙
お奨め品: グロス … オーロラS

      マット … ピレデラS

アート紙

  顔料を片面平米20gづつ両面に塗布した両面アートと、片面のみ20gの片面アートがあります。
  (A1グレードと呼びます) A2コート紙の品質が良くなってきたので使用量は減少傾向です。
  通常はアートと言えばグロスアートを表しますが、塗布した顔料と仕上げにより大きく印刷効果が違います。
  他にはマットアート、ダルアートがあります。グロスとは紙面、印刷面ともに非常に光沢が出ます。
  ダルは紙面の光沢は抑え、印刷面は光沢が出るように仕上げられています。
  カタログ、カレンダー、美術書用紙、ポスター等に使用されています。
アート紙
お奨め品: 両面アート … OK金藤+

      片面アート … OK金藤片面

      ダルアート … サテン金藤N

  また、より白色度を上げたり、より印刷光沢を上げるように製造されたものにスーパーアートと
  呼ぶものがあります。(A0グレードと呼びます) グロス、ダルがあります。
  白さを生かした、より高級なカタログ、カレンダー、美術書用紙、ポスター等に使用されています。
スーパーアート
お奨め品: スーパーグロスアート … SA金藤+

      スーパーダルアート …… OKウルトラアクアサテン

コート紙

  顔料を両面で平米20g塗布したものです。
  原紙が上質紙のものを上質コート(A2コート)、原紙が中質紙のものを中質コート(B2コート)と呼びます。
上質コート紙
顔料並びに塗布技術やインキを含めた印刷技術の進歩により、印刷仕上がりはアート紙に迫って
きています。光沢のあるグロスコート、光沢を抑えたマットコートに分けられます。
原紙に再生上質紙を使用したものは再生コート紙あるいはリサイクルコート紙と呼ばれます。
カタログ、カレンダー、パンフレット、雑誌の表紙、口絵、チラシ等に使用されています。

お奨め品: グロスコート … オーロラコートOKトップコート+雷鳥コートN
               ミューコートネオスパールコートN

      マットコート … ユーライトニューエイジ

      再生グロスコート … オーロラコートグリーン70(PEFC)

      再生マットコート … ユーライトグリーン70(PEFC)

中質コート紙
不透明性、嵩だかの性質により、薄いものに人気があります。
巻き取り品が多く、オフセット輪転印刷で印刷されることが多い。
雑誌の本文、カラーページ、チラシ等に使用されています。

軽量コート紙

  顔料を両面で平米15g塗布したものです。
  原紙が上質紙のものを上質軽量コート(A3コート)、原紙が中質紙のものを中質軽量コート(B3コート)と呼びます。
上質軽量コート
光沢のあるグロス、光沢を抑えたマットに分けられます。
雑誌本文・カラーページ、カタログ、マニュアル、チラシ等に使用されています。

お奨め品: グロス … ハイアルファ、スーパーエミネ

      マット … キンマリHi−L、エミネ

中質軽量コート
巻き取り品が多く、オフ輪転印刷機により印刷されることが多いです。

キャストコート紙

  アート紙よりも光沢があり鏡面仕上げといわれる。裏面の紙質により数多くの銘柄があります。
  裏面が同じキャストコート紙のもの、裏面がアートポスト紙や、A2コート紙、上質紙、
  アイボリー紙、カード紙、ボール紙のものがあります。
  裏面の素材により高級カタログ、カタログの表紙、高級雑誌の表紙、雑誌の表紙、
  高級ショッピングバッグ、高級包装紙、高級製函用として使用されています。
キャストコート紙
お奨め品: 裏面もキャスト紙 ……… エスプリW

      裏面がアートポスト紙 … エスプリAP

      裏面がA2コート紙 …… ミラーコートプラチナエスプリC

      裏面が上質紙 …………… ミラーコートゴールドエスプリFP

      裏面がアイボリー紙 …… エスプリV

      裏面がカード紙 ………… エスプリK

      裏面がボール紙 ………… エスプリGB

エンボス紙・その他塗工紙

エンボス紙
コート紙に梨地・布目・絹目などの微小な凸凹をつけたものです。カタログ等に使用されています。

お奨め品: npiエンボス
その他塗工紙
アート紙の原紙をより厚くした「アートポスト紙」は雑誌の表紙、絵葉書等に使用されています。

お奨め品: OK特アートポスト+
  その他、包装用紙や純白ロールにコートしたものは高級包装紙等に使用されています。

色上質紙

  晒化学パルプ74〜100%+古紙0〜26%使用、色料を混ぜて抄造。メーカーによっては33色、7つの厚みを作っています。
  上質紙と同程度の印刷適正、プリンター適正、コピー適正を有しており、非常に広い範囲で使用されています。
  最厚口、超厚口は色カード紙より安価なので、それらの需要の一部に食い込んでいます。
  メーカーにより同じ色名でも、色感が大きく違うものもありますので、注意が必要です。
色上質紙
お奨め品: 紀州 色上質

その他特殊印刷用紙

  ファンシーペーパーと呼ばれ多種多様な色・パターンで多くの種類が作られています。
…………………………
お奨め品: レザックシリーズタントシリーズNTラシャOKミューズコットン新草木染
  ファンシーペーパーの中には、積極的に古紙を入れたり、非木質パルプ(バガス、ケナフ等)を使用した、
  環境に対する配慮を前面に出したものも多く造られています。
…………………………
お奨め品: OKミューズリンターGAバガスケナフ100GA竹あやGA新草木染ハーブ
  最近は、白もので非常に嵩高に抄造したものにコートを塗布し多色印刷適正を持たせたものが、
  ファンシーペーパーとして、評価を得ています。
…………………………
お奨め品: アラベールヘリオスGAOKミューズガリバーアールCoC
  ファンシーペーパー以外では、小切手・手形用紙など偽造の難しい工夫のしてあるものなどがあります。

ノーカーボン原紙

  染料を内包したマイクロカプセルが物理的な圧迫により破裂し、顕色剤と化学反応を起こし発色する
  メカニズムを利用するものです。
  ・紙の裏面にマイクロカプセルを塗布した上用紙、(感圧紙の場合 A紙)
  ・紙の表面に顕色剤を塗布、裏面にマイクロカプセルを塗布した中用紙、(感圧紙の場合 B紙)
  ・紙の表面に顕色剤を塗布した下用紙、(感圧紙の場合 C紙)
  この三種類の組み合わせにより複写したい枚数でセットを組むことができます。
  上用紙と下用紙の組合わせの二枚複写、上用紙と中用紙と下用紙の組み合わせの三枚複写、
  中用紙を増やせば何枚複写でも可能ですが、筆圧に個人差があり、インパクトプリンター・タイプライターに
  機械的打圧差がありますので、複写枚数を決めるときはそれぞれの条件でテストする必要があります。
ノーカーボン原紙
お奨め品: 富士フィルム・感圧紙

裏カーボン原紙

  複写伝票には長い間ワックスインクを塗布したカーボンペーパーを紙と紙の間にはさんで使用していました。
  1952年にカーボンペーパーを挿入する手間を省き、複写枚数を増やすために裏面全体にカーボンを塗布した
  クリーンカーボン(裏カーボン)ができました。
  1954年に複写必要スペースの裏面のみにカーボンをスポット印刷するスポットカーボン伝票の時代を迎えました。
  同時に、専用の裏カーボン原紙も開発されカーボンインキの定着が良く、裏抜けしない、不透明性の高い製品が
  生み出されてきました。
  しかし、1960年代にはノーカーボンの出現により使用は減少し始めました。
  1980年代には宅配便の伝票に使用され再び増加傾向が見られました。
  下に複写される紙を選ばない性質は現在でもノーカーボン紙に対して優位にあります。
裏カーボン原紙
お奨め品: ケミシート (現在は取り扱っておりません)

PPC用紙

  PPCとは「Plain Paper Copy」の略語であります、普通紙にコピーを可能にする機械です。
  普通紙にコピー可能なので、上質紙をA4、B4などの規格にしてコピーをしたり、官製ハガキにコピーしたりも
  しますが、コピー機が高速化してきたことにより紙の持つ品質に対する要求も厳しくなってきました。
  ジャムトラブルが起こらず、トナーの定着性がよく、ハード通過後カールが起こらない等の条件をクリアするために、
  各ハードメーカー指定紙の需要が多かったのですが、近年ハードの進歩で紙を選ばなくなってきていることと、
  製紙メーカーの技術の進歩により、指定紙の使用は減少し、指定以外のPPC用紙がいろいろなルートにのって
  流通しています。
  PPC用途以外にも、普通紙ファックス用紙、簡易印刷機用紙、レーザーやインクジェットのプリンター出力用紙等、
  OA機器の普及とともに多くの用途に使用され、それぞれの品質要求に製紙メーカーは応えてきました。
  ハードの寸法精度要求が高いため製紙メーカー内で断裁加工まで行い、小口使用が多いため500枚で包装し、
  この数包を段ボール箱に入れたものが一般的に流通しています。
  色上質ベースで上記のような品質をもったものも登場しています。
  フルカラーPPCの普及により、色再現性等より厳しい品質要求をクリアしたフルカラーPPCも作られています。
  また、環境意識の高まりとともに古紙を使用した再生品の需要も増えてきています。
  通常、A3、B4、A4、B5の規格があり、当社の場合、A4>B4>B5>A3の順に需要があります。
PPC用紙
お奨め品: 一般品 ……… エスコピー

      色物  ……… ファインカラー

      フルカラー … ファインFC

      再生品 ……… エスコピーR


紙の仕上寸法表 … 日本工業規格(JIS)

番号A列B列
01189mm x 841mm1456mm x 1030mm
1841mm x 594mm1030mm x 728mm
2594mm x 420mm728mm x 515mm
3420mm x 297mm515mm x 364mm
4297mm x 210mm364mm x 257mm
5210mm x 148mm257mm x 182mm
6148mm x 105mm182mm x 128mm
7105mm x 74mm128mm x 91mm
874mm x 52mm91mm x 64mm
952mm x 37mm64mm x 45mm
1037mm x 26mm45mm x 32mm

原紙の寸法表

洋紙の部名称寸法
A列本判625mm x 880mm
B列本判765mm x 1085mm
四六判788mm x 1091mm
菊判636mm x 939mm
ハトロン判900mm x 1200mm
板紙の部名称寸法
L判800mm x 1100mm
K判640mm x 940mm
S判820mm x 730mm